アキレス腱が痛くなる本当の原因

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時々、アキレス腱痛を訴える選手がいます。

アキレス腱は下腿三頭筋の腱なので、下腿三頭筋に問題がありそうですが、実は本当の原因はほかにあることが多いです。

アキレス腱

アキレス腱は前述の通り、下腿三頭筋が踵骨に付く手前にある腱です。

ウィキペディアによると、人の体の中で最も大きく、強い腱だと言われています。

また、歩行や疾走・跳躍などの運動の際、爪先を蹴り出す時にかかとを持ち上げたり、着地する足の爪先を地面に踏み込ませるなど重要な機能を果たしています。

さらには、かつては奴隷や捕虜が逃げ出さないようにアキレス腱を切断したという事例もあるようです。

怖いですね。

それくらい、歩いたり、走ったり、跳んだりするときに重要なものだとわかります。

アキレス腱痛の従来の原因

このアキレス腱が痛くなる原因としては、

・下腿三頭筋の柔軟性低下

・足底の硬さ

・踵骨の傾きが偏っている(Leg heel alignment;下腿と踵骨がなす角度が大きい)

これらが定番です。

しかし、いくら下腿三頭筋や足底にアプローチしても症状があまり変わらないということが多いです。

アキレス腱痛の本当の原因

私が見てきた中で、アキレス腱痛の本当の原因は以下の2つです。

・足関節後方のスカーティッシュ

・走りの中で足関節底屈の貢献度が大き過ぎる

足関節後方のスカーティッシュ

アキレス腱痛を訴える選手の足を触っていると、アキレス腱の奥にある足関節後方部分から腓骨や脛骨の後縁にスカーティッシュが溜まっていることが多いです。

本来なら、腓骨や脛骨、距骨など足関節後方が障害物なく触れるのですが、余計なものが触れるのです。

これはいわゆる微小な炎症が固まってできたスカーティッシュ(瘢痕組織)です。

このスカーティッシュがアキレス腱と足関節後方の間にあり、底背屈を繰り返すことでアキレス腱を刺激するために、アキレス腱にストレスがかかり痛みの原因になるのです。

ストレッチで症状がある場合は、スカーティッシュを取ることで、直後にストレッチでの痛みが改善します。

ストレッチだと、アキレス腱と足関節後方が接近し、スカーティッシュがアキレス腱にストレスを加えやすい動きなので、スカーティッシュが取れれば、すぐにそのストレスがなくなり、症状がよくなるのです。

効果判定としてすぐにできるので、効果もわかりやすいです。

走りの中で足関節底屈の貢献度が大き過ぎる

もう一つ、私が経験した中でアキレス腱痛の原因だったのは、走りの中で足関節底屈の貢献度が大き過ぎるというケースです。

どういうことかというと、要は走っているときの加速を足首でやり過ぎているということです。

本来は股関節の伸展や膝の伸展をメインに加速したいところを、足関節の底屈を使い過ぎることで、下腿三頭筋やアキレス腱に負担がかかってしまっていたのです。

これは本人の走っているときの意識を変えてあげることで、痛みが改善しました。

この場合はベッド上の症状と比べて、走ったときの症状が強いといった他覚的所見と自覚的痛みにミスマッチがあることが多いです。

まとめ

アキレス腱が痛くなる本当の原因は、足関節後方のスカーティッシュと走りの中で足関節底屈の貢献度が大き過ぎることです。

これらを頭に入れて、選手のアキレス腱痛を見てみましょう。

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